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SBS患者の問題点と対策

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監修:大阪大学大学院医学系研究科 
医学科教育センター 教授 和佐勝史先生

SBS患者の問題点と対策

腸管切除部位によって起こる消化吸収不良や各種欠乏症などが生じる。また、栄養療法にともなう問題などもあるため、患者の状態に合わせた対応が必要である(表3)。

表3 SBSの問題と対策

分類 問題 対策
腸管不全 消化吸収面積減少による食物負荷後の粘膜障害と下痢の増悪

・静脈栄養と経腸栄養を組み合わせて実施

・成長因子の投与(グルタミン、成長ホルモン)

・腸管延長術(STEP)

完全絶食による腸管粘膜の委縮
胃酸分泌過多 エンテログルカゴン(腸管ホルモンで胃液分泌を抑制する)の分泌減少に起因する胃酸分泌亢進

・H2ブロッカー、PPIの投与

腸管内pH低下による膵酵素活性抑制
腸管蠕動亢進による脂肪のミセル化障害
消化性潰瘍
ビタミン吸収障害 回腸大量切除後、ビタミンB12の吸収障害による大球性貧血

・ビタミンB12、A、D、Eの補給

脂溶性ビタミンの吸収障害
電解質欠乏 下痢によるNaと重炭酸の損失にともなう無気力、活力低下、成長障害

・NaCl、NaHCO3の補給(尿中Na濃度≦10mEq/L)

微量元素欠乏 消化分泌液再吸収抑制によるZn不足

・Znの補給

肝機能障害
(腸管不全合併肝障害、IFALD)
完全絶食下で静脈栄養実施による胆汁うっ滞性肝機能障害発現

・可及的早期からの経口栄養の併用による
胆汁排泄促進、腸管粘膜委縮防止、
消化管ホルモン分泌刺激

・カテーテル関連血流感染の予防

・Cyclic TPNによる静脈栄養中断間の酸化と肝からの排出促進

長期静脈栄養による脂肪肝の発現
アルギニンの必須アミノ酸化 小腸切除によりグルタミン酸からアルギニン合成が抑制

・可及的早期からの経口栄養の併用による
胆汁排泄促進、腸管粘膜委縮防止、
消化管ホルモン分泌刺激

・血漿アミノ酸分画測定

・アルギニン補充

アンモニア処理能力の低下
脂肪肝の発現
尿路結石の発現 高度脂肪性下痢により結腸で遊離シュウ酸を吸収し、シュウ酸Caによる尿路結石を発現

・ほうれんそう、コーヒー、お茶を避ける

・乳酸Caの経口投与

STEP:Serial Transverse Entero Plasty
IFALD:Intestinal Failure-Associated Liver Disease

吉田英生ほか:臨床栄養:117(6): 656-665,2010より作表

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