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JPEN J Parenter Enteral Nutr. 2016 Aug 8. pii: 0148607116662971.

Glucagon-like peptide 2 stimulates postresection intestinal adaptation in preterm pigs by affecting proteins related to protein, carbohydrate, and sulphur metabolism.

グルカゴン様ペプチド-2(GLP-2)は、タンパク質、炭水化物、硫黄の代謝に関連するタンパク質に影響を及ぼすことにより、早産ブタにおいて腸管切除後の腸管順応を促す

Jiang P, Vegge A, Thymann T, Wan JM, Sangild PT.

背景

外因性のグルカゴン様ペプチド-2(GLP-2)は、小児短腸症候群(SBS)の動物モデルにおいて腸管切除後の腸管順応を促す。ただし、このGLP-2作用の分子メカニズムが、腸管切除後に自然に起きる腸管順応の分子メカニズムと類似しているか否かは不明である。そこで、GLP-2治療が誘発する腸管順応は、腸管切除後に自然に起きる腸管順応と異なるという仮説を立て、早産ブタを用い、腸管切除を施行しない場合または腸管切除後にGLP-2治療を行わない場合と、腸管切除後にGLP-2治療を行った場合の腸管切除1週間以内の腸のプロテオームの変化について検討した。

対象と方法

2日齢の早産ブタ15匹を用いた。10匹は小腸遠位側を50%切除したが、5匹には腸管切除術を施行しなかった(unresected)。腸管切除後、unresectedを含む全ブタに4日間にわたり中心静脈栄養を行った。腸管切除術を施行した10匹のうち5匹にはGLP-2の点滴投与(3.5µg/kg/時)を行い(SBS+GLP-2)、残り5匹には同量のヒト血清アルブミンを投与した(SBS)。腸管切除後5日目に安楽死させ消化管を取り出し、残存小腸近位部を凍結処理した。そして、ゲルを基盤としたプロテオミクスにより、SBS、SBS+GLP-2、unresectedに残存小腸近位部のプロテオームを比較した。

結果

32種の差次的発現タンパク質が同定され、そのうち10種は腸管切除単独による影響を受けていた(SBS vs unresected)。また、腸管切除反応性の5種のタンパク質およびその他22種のタンパク質は、GLP-2治療の影響を受けていた(SBS+GLP-2 vs SBSまたはunresected)。腸管切除単独では主に細胞内の構造タンパク質に影響を及ぼしたが、GLP-2治療を付加することにより、タンパク質プロセシングおよびタンパク質、炭水化物、硫黄の代謝に関与するタンパク質に影響を及ぼした。

結論

本試験は、早産児における腸管切除直後の状態を模した動物モデルにおいて、腸管切除およびGLP-2治療を受けて腸のプロテアソームが変化したことを初めて見出した報告である。腸管切除後の最初の数日間で、腸管切除とGLP-2治療の影響を受けたタンパク質は、切除のみで自然に起きた腸管順応の影響を受けたタンパク質と著しく異なっていたことから、GLP-2治療は腸管切除後に残存腸管のプロテオームに大きな影響をもたらすことが示唆された。なお、より長期にわたるGLP-2治療が腸管切除後の腸のプロテオームに影響を及ぼすか否かは不明である。

PubMed

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